ただでさえ幼稚園選びには悩みが多いですが、発達障害の疑いがある場合はさらに悩みが深くなりますね。
発達障害の程度にもよりますし、園の受け入れ態勢によっても異なります。
我が家の上の子もADHDグレーゾーンで、幼稚園選びのときには医療機関などにはかかっていませんでしたが、彼の個性に合った園を探すのに悩みました。
今回は、ADHDグレーゾーンのうちの子の幼稚園選びや実際に幼稚園に通園させた経験、療育と併用していたお友達などの話を交えながら、発達障害の疑いがある場合の幼稚園選びについてまとめます。
幼稚園選びで発達障害の疑いがある場合は受け入れ態勢を確認しよう
幼稚園で発達障害に加配の先生をつけてくれる園もある
幼稚園選びで子供に発達障害の疑いがある場合に確認すべきことは、『幼稚園側の受け入れ態勢があるか』ということです。
保育園では3人の障害児につき1人保育士を追加する(加配)ということが決まっているそうですが、自治体によっては幼稚園でも加配をしてくれる場合があります。
大規模園、マンモス園などと言われる園の場合は、そもそも受け入れ園児の数が多いので、発達障害のお子さんの受け入れ経験がある園や、加配制度がある園もあります。
加配制度がなくても、発達障害の子がいる場合には園の内部で先生を増やせるよう調整できる場合があります。
先生の人数的な余裕もノウハウもあり、受け入れに問題ないと言っていただけることもあります。
ただし、これはあくまで傾向の問題であって、幼稚園ごとに事情は異なります。
お勉強園や規律を重んじる園の場合は、そもそも提携発達の子でも集団行動がうまくできない場合は入園テストに通らないケースも多いです。
加配制度もなく、発達障害であることに配慮のない園ももちろんあります。
幼稚園の入園面談後に発達障害がわかった我が子の場合
うちの子の場合はというと、地域の子育てセンターに育児相談に見えた先生に自分から相談しても『多動気味かもしれないけれど診断が出るような状態ではなく心配はない』と言われている状態での幼稚園選びでした。
幼稚園受験が終わった後の3歳児健診で多動気味だから地域の障害児通所施設(療育)に行ってみては? と勧められ、隔月で通所することが決まったという流れです。
多動気味であると言われたまま幼稚園を卒園することになり、正確な診断を求めて医療施設に行き、発達障害グレーゾーンであると言われたのは幼稚園を卒園する頃でした。
ちなみに、通所歴があることも伝えた上で就学前健診を受け、現在は小学校の普通級に通学しています。
幼稚園選びの段階では発達障害の疑いの指摘もされておらず、ただ元気な子なので細やかに見てもらえる小規模園がいいと思い、少人数の幼稚園に合格。
その後、療育施設に隔月で通うことになり、発達障害の疑いがある子供が幼稚園に通うのは大丈夫なのかと調べたところ、『発達障害だからと退園を迫られた』『予算上加配はつけられないから毎日親がついているよう言われた』などという情報をネットで見つけまして。
入園後に退園になるよりはと、幼稚園に慌てて『発達障害の疑いがあり障害児通所施設に隔月で通所することになったのですが、入園取り消しなどされないですか?』と問い合わせの電話をし、問題ないですよと言われて安心して入園を迎えたという顛末があります。
入園後に療育に通っている子が他にも2,3人いることがわかりましたが、ベテランの先生を担任にしていただいた代わりに加配はなし、という形でした。
ちなみに、うちの子は多動のみでしたが、こだわりや癇癪が強い子もいましたし、定型発達の子ですが他害の強い子もいました。
それぞれ幼稚園に相談しながら個別に対応してもらっていたそうで、子供に心配がある場合は細やかな対応をするという点では提携発達でも発達障害でも同じという姿勢でいてくださったのがありがたかったです。
このように、先生の増員といった大きな配慮はなくとも、受け入れますと言っていただける場合もあります。
園によって対応はまちまちなので、まず幼稚園に見学に行ってみたり、説明会で過去に発達障害児の受け入れ経験があるかを訊いてみるといいですよ。
幼稚園に発達障害を言わないほうがいい?
幼稚園で先生に先入観を持たれたくない…と、幼稚園に発達障害の疑いがあることを言わないほうがいいという考え方もあります。
ですが、発達障害の疑いがあることを黙っていて入園してからトラブルになり、退園や転園することになるほうが子供は辛いことになります。
また、先生もたくさんのお子さんを見てきたプロですので、事前に情報があったほうがその子にあった対応をしていただけます。
発達障害の疑いを隠して入園するほうがデメリットになると個人的には思います。
このときに、『発達障害です』と曖昧に伝えるのではなく、子供の特性や対処法などをお伝えしたうえで、受け入れてもらえるかを園に判断してもらうという形がいいですね。
発達障害でもいろいろなタイプの子がいるので、具体的にどのような個性があって対処できる方法があれば理解してもらえるケースもあるからです。
うちの子の場合は多動で話の途中でも早とちりして行動を始めてしまうところがあったのですが、『最後までお話を聞いてね』というと冷静になって話を聞けることが療育への通所でわかっていました。
また、大勢でいると落ち着きがなくても、先生と一対一だと話を聞ける傾向もありました。
このような特性を話して、『このような場合は受け入れは可能でしょうか?』と率直に訊いてみるのが一番です。
受け入れできない場合には特に、早めに教えていただいたほうが他の園を探すなどの行動がしやすくなります。
幼稚園選びの段階でお子さんに発達障害の疑いがあるということがわかっている場合は、入園の面談の前に受け入れ態勢があるかをしっかり確認しておくのが安心ですよ。
幼稚園選びで療育と併用は可能かも確認しておこう
未満児(3歳児、幼稚園でいう年少未満のお子さん)で障害児通所施設に相談などで通っている場合、幼稚園に入っても週1回など定期的に通所を勧められるケースが多いです。
通所する日以外は幼稚園に通い療育と併用できれば…と考える親御さんも多いのではないでしょうか。
こちらは、週1回決まった曜日に休むというだけなので、幼稚園と療育の併用は不可という園は少ないようですが、事前に確認しておくといいですね。
ただし、集団行動が難しい子供の場合、療育との併用があるからではなく入園そのものが難しいと判断されることもあります。
入園そのものが難しいと判断される場合は、療育施設の方から幼稚園入園ではなく施設の通所を勧められるケースもあるので、その場合は施設の通所を検討される方がお子さんにとっていい環境であることも書き添えておきます。
というのは、上の子のクラスメートで入園後発達障害の疑いがあり、『お子さんとしかるべき施設に相談してみては?』と勧められたお母さんがいるんですが。
「うちの子を障害児扱いして!」と激怒したお母さんは施設に相談することもないまま年を重ね、年長になっても癇癪が抑えられず泣き叫び暴れるお子さんに手を焼いていました。
『子供が小学生になってから手を焼いて相談に来られても遅くて、実際はもっと早い時、然るべきときに適切な指導をすれば子供の困り度が減るのに』と施設の先生もおっしゃっていました。
幼稚園の先生も経験上お子さんのためを思っての勧めだったのにと思うと、残念に思います。
ちなみに、逆のパターンで、年少児のときに幼稚園と併用する形で週1回で療育施設に通っていたけれど、もう必要ないと言われ通所終了になったお子さんもいます。
適切な指導を重ねたことで、お子さんが指導が不要なまでに成長したということですよね。
なので、お子さんの成長を促すためにも、療育に通っている場合は併用できる幼稚園を選ぶのが大事なポイントだと思います。
幼稚園選びは性格に合っているかを重視しよう
幼稚園選びで発達障害がある場合には過去に対応した例がある園なら安心、と書きましたが。
お子さんの個性によっては受け入れがあるからと言って園の個性と合わず、のびのびと園生活を送れないという場合もありますよね。
うちの上の子は小規模園にしましたが、マンモス園で大勢の子と集団行動をするのに不安があったための選択です。
性格的にも外遊びの好きな元気な子なので、遊び重視ののびのび園を選びましたし、それは正解だったと思っています。
ですが、発達障害と言っても様々で、例えばこだわりが強くて外遊びで服が汚れるのが嫌な子もいます。
お勉強が好きで放っておくとずっと絵本を読んでいるという子もいます。
そういう子の場合は、外遊びの少ないお勉強要素の高い園のほうが向いている場合もあります。
※ただし、鼓笛隊やお遊戯会のダンスで一糸乱れぬ統率を求められる園だと厳しいと思います(実際にこういう園もあります…)。
発達障害の疑いがあるから対応してくれる園に入れたいという気持ちはすごくわかります。
ですが、お子さんの数年間を楽しく実り多いものにしてあげるために、発達障害があるからこそお子さんの個性に合った園を探すことが大事です。
子供にはこの幼稚園が合いそうだからここに入れたい! と思える幼稚園が見つかった場合は、他に入れそうな幼稚園のテストも念のために受けて、ダメもとで入園テストを受けてみるのもありですよ。
説明などを聞いたときに発達障害児の受け入れに積極的ではなかったとしても、テストで合格させてもらえたならしめたものです。
ただし、無事に希望の幼稚園に入園できたときも、お子さんのケアを幼稚園任せにしてしまうのはNG。
円滑に園生活を送れるよう努力する姿勢を見せることで、先生からの理解も得やすくなりますよ。
お母さんのほうから『うちの子はこういうところがあるのでこう対処してください』となど効果的な働きかけを伝えたり、都合がつくようなら幼稚園の役員を務めるなどして積極的に園に協力するのも一つの方法です。
幼稚園の役員は面倒だという印象が強いですが、頻繁に園に足を運ぶことで園での様子がわかるようになったり、他のママと親しくなって子供が問題を起こしても理解を得やすくなったりというメリットもあります。
※幼稚園の役員についてはこちらの記事も参考にしてみてくださいね。
https://smilediary.net/school-event/post-2189
まとめ
発達障害の疑いがある場合の幼稚園選びについてまとめました。
発達障害の疑いがある場合の幼稚園選びは、幼稚園に受け入れ態勢があるかどうかを見学や説明会で確認することが重要です。
加配制度がなくても受け入れ態勢がある園であれば、お子さんものびのびと園生活を送れることと思います。
また、幼稚園と療育の併用を勧められている場合は、併用が問題ないことを幼稚園に確認しておくといいですね。
ただ、発達障害の疑いがあるからといって、受け入れ態勢があるとされている園ならどこでもいいわけではありません。
むしろ、発達障害の疑いがあるお子さんのほうが、より子供の個性に合った園を探すことに重点を置く必要があるかもしれません。
お子さんの個性に合った幼稚園でぜひ通わせたい! と思うような園を見つけた場合は、ダメもとで受けてみるというのもありです。
もちろん、入園後は幼稚園生活を円滑に送れるよう、先生に子供の特性や対処法を伝えたり、役員を務めるなど園に協力する姿勢を見せることが大事です。
なお、幼稚園選びのチェックリストについては別の記事にまとめていますので、あわせて参考にしていただけると嬉しいです。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
お読みいただきありがとうございました。