実家のお雛様をどうするか、先日母から相談を受けました。
立派な七段飾りを買ってくれたのですが、組み立てて作るのはかなりの手間ですよね。
近年はお内裏様とお雛様しか飾っていないそうで、どうしたらいいのかと悩んでいます。
供養して処分する方法について調べて教えたのですが、供養していただくにしても処分するのには抵抗がある様子。
そもそも結婚後のお雛様はどうするのがベストなのでしょうか?
実家で飾るのがいいのか、娘に引き継ぐべきだったのか、処分してしまう方がいいのか…。
お雛様は結婚後どうするのが一番いいのか、いろいろ調べてみました。
お雛様は結婚後はどうする?
お雛様は結婚した後にどうするか、選択肢はいくつかあります。
・結婚後もお雛様は実家で飾ってもらう
・結婚後に自分のお雛様を娘に譲る
・お雛様は結婚して役目を終えたので処分する
・結婚後は自宅に持っていきお雛様を飾る
それでは、一つずつメリット・デメリットを見てみます。
結婚後もお雛様は実家で飾ってもらう
【メリット】
災厄の身代わりになるとされるお雛様を自分の労力を払わず大事に飾ってもらえる。
【デメリット】
毎年飾ったりしまったりというのは体力的にも時間的にも大仕事で、実家に負担をかける。
実際問題、七段飾りを母が一人で飾るのは難しいわけです。
今までは母がお内裏様とお雛様だけは飾ってくれていたわけですが、それも負担な様子。
三人官女や五人囃子、右大臣左大臣といった他のお人形に至っては、何年日の目を見ていないことでしょう…。
自分のために母に多大な労力を払ってもらって実家で飾ってもらうのは無理があると感じています。
結婚後に自分のお雛様を娘に譲る
【メリット】
手元に置いておけるので、娘と一緒に大切にできる。
【デメリット】
お雛様は一代限りと言われているので、自分の厄が本当に娘に降りかかったらと心配。
お雛様は買ってあげた娘の災厄の身代わりになるものだから、一代限りで新しいものを買うんだよと言われたので、譲ることは考えていませんでした。
また、我が家には息子もおり、息子に新しい兜を用意したのに娘だけお下がりということに抵抗があったというのもあります。
ただ、本当に自分の厄が娘に降りかかるなんてことがあるのかは疑問ですよね。
代々お雛様を飾っているおうちもあるそうですし、もう少し調べる必要がありそうです。
お雛様は結婚して役目を終えたので処分する
【メリット】
お雛様を出したりしまったりする手間も、出せないときに申し訳ない気持ちになることもなくなる。
【デメリット】
お雛様を処分することに精神的な抵抗がある。
昔は結婚が女性の幸せと思われていたことを考えれば、わたしのお雛様はもうお役目を果たしたと考えることもできます。
お役目を果たしたのであれば処分してもいいと思ったのですが、それも母には抵抗がある様子。
わたしももったいないという気持ちはあり、結局うちのお雛様は処分することができませんでした。
ちなみに、お雛様の処分の仕方については別記事にまとめています。
https://smilediary.net/seasonal-ivent/post-992
結婚後は自宅に持っていきお雛様を飾る
【メリット】
自分のために買ってくれたお雛様を自分で大事に飾ることができる。
【デメリット】
お雛様のためのスペース(飾る場所、しまう場所ともに)をかなり取る。
娘のものと二つ並べて飾るのは縁起が悪くないか心配。
実際問題、我が家は引越して少し広くなったので、頑張って娘のお雛様と一緒にわたしのお雛様を飾ろうとすればできなくはないのです。
ただ、娘のお雛様を買ったときはかなり手狭な家で、とても七段飾りなど置くスペースがなく親王飾りにしてしまったんですよね。
娘が親王飾りなのにわたしが七段飾りというのもイマイチですよね。
また、お雛様を二つ飾るのは縁起が悪いのではないかが気になるので、もう少し調べてみたいと思います。
お雛様で自分のを娘に譲るのはOK?
そもそも、お雛様は本当に一代限りのものなのでしょうか?
よそ様ならいざ知らず、お雛様で自分のを娘に譲るのは本当に問題なのか、今更ですが調べてみることにしました。
お雛様の由来
お雛様の由来を調べるうちにわかったことですが、お雛様を飾る桃の節句は、そもそも中国伝来の風習である五節句のうちの一つです。
日本では桃の節句として知られていますが、中国では上巳の節句として水辺で体を清め、穢れを祓う習慣があったそうです。
宴会を催すこともあったのだとか。
また、日本では草やわらで作った人形(ひとがた)の体をなでて自らの穢れ(けがれ)を人形に移し、水に流して祓うという禊祓いの風習がありました。
中国の上巳の節句と日本の禊祓いの風習が結びついて流し雛の風習ができたのだそうです。
また、平安時代には女子の間で『ひいな』と呼ばれる紙でできたお人形がままごと遊びに使われるようになります。
禊祓いの『人形』と平安時代の『ままごと遊びのひいな』が長い年月を経て融合し、今の雛人形のもとになったのではないかと言われています。
お雛様を娘に譲るかどうかに正解はない
禊祓いとして穢れや災厄を流す人形が雛人形の元とされていたことから、お雛様は一代限りで娘に譲らないものと言われているんですね。
また、そもそもの上巳の節句の由来は、年齢や性別を問わず穢れを祓うという習慣だったわけです。
お雛様が災厄の身代わりになってくれるのが結婚までとも、結婚で役目を終えるとも言い切れない気がします。
わたしの場合はもう娘のお雛様を買ってしまった後ですし、やはり自分のものを娘に受け継ぐ形にしなくてよかったと思っています。
とは言いながらも、かつては草やわらで作った人形や紙でできたお人形だったものを現在のような高価なものと同列に扱うのもおかしいという考え方もあります。
現代のお雛様は高価で、おいそれと新しいものを買うわけにもいかないですし、自分のものと娘さんのものと二つ並べて飾るのにも手間とスペースの問題があるわけです。
お雛様を大事にする、できなければ供養するというのがベストですが、お雛様を受け継いでいくということについては誰にでも通用するような正解はないと思います。
お雛様の由来を知ったうえで、ずっと大切にしてきたお雛様を自分の娘に譲るというのは素敵なことだと思いますし、それぞれのご家庭の考え方で決めていいと思います。
お雛様を二つ並べて飾るのは問題ない?
自分の穢れや災厄の身代わりになってくれるとされるお雛様。
由来を知れば、実家で何年も眠ったままなのが申し訳ない気持ちになります。
母も処分には消極的なので、家で引き取って飾りたいと思います。
ですが、お雛様を二つ並べて飾るのは大丈夫なのでしょうか?
こちらもちょっと調べてみましたが、災厄の身代わりとなってくれるものであってもお雛様は神仏ではないので、ケンカをすることもないし問題ないということでした。
確かに、旧家で何代もお雛様を嫁入り道具として持参し、代々のお雛様を並べて飾っているお宅もあるそうですから、問題ないと思って大丈夫だと思います。
双子の娘さんとか姉妹のおうちとかはお雛様を二つ並べているところもあるようですし。
家の収納がかなり手狭になること必至ですが、今年は実家からお雛様を引き取って飾ろうと思います。
まとめ
雛人形の由来などを調べるにつれ、実家の両親がわたしを思って買ってくれたお雛様の存在をありがたく感じることができました。
お雛様は自分の災厄の身代わりであり結婚後も大事に飾ることに越したことはないのだと思います。
母が処分に消極的なこともありますし、できれば自分で毎年飾ってあげたいという気持ちになりました。
飾るスペースだけでなく収納スペースをかなり圧迫することになりそうですが、何とかスペースを作って引き取りたいと思います。
なお、雛人形を取ってあるおうちなら七五三の着物を取ってあることもあるかもしれません。
自分で着た七五三の着物を娘に着させるのはありか気になる方は、実際に娘に私の着物を着てもらった経験を交えて書いたこちらの記事も参考になさってみてくださいね。
https://smilediary.net/family-ceremony/post-5468
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
お読みいただきましてありがとうございました。